河童日記

暇つぶしです

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

道楽

暑い。ただ暑いだけならまだしも、湿度が高いから参ってしまう。去年まで愛用していた扇子が壊れてしまっていて、今までは扇子無しで耐えていたのだが、さすがに我慢ならなくなって、今日新しく扇子を買った。 先代の扇子は高校の修学旅行の時に京都で買った…

僥倖

この間論文を読んでいて、興味深い一文を見つけた。それが正しければ、私が現在行なっている研究に応用できそうに思えた。そこで早速それを使ってみると、やはり一歩前進したのである。それも、私が大学院に入ってから初めての、間違いなく前進といえる前進…

勝算

どこもかしこも人工知能でてんやわんやであるらしい。昨日もテレビで、人工知能をテーマにした特番をやっていた。そういう情報を得れば得るほど、恐ろしい時代になったものだと思う。その特番でいうことには、今や人間の評価すら人工知能が行う時代らしい。…

未練

久々に高校の友人たちと食事をしてきた。卒業から何年経っても全く変わらない調子、変わらない距離感で付き合える、貴重な友人たちである。就職活動を終えたもの、司法の勉強をするもの、まだ自由が利くもの、多種多様であるが、それでも、私を含めて皆が徐…

発見

髪が伸びてきた。前髪が眉毛よりも下まで伸びてしまってもう鬱陶しくて仕方ない。近所の床屋に行ってさっさと切ってもらいたいものなのだが、少し立て込んでいるせいで中々行けていない。自分の意思で髪の成長を止められたら良いのに、と思う。 人間の髪は一…

野生

研究室からの帰り道、研究所から駅に向かう道を、小さな黒い影が3つ横切っていった。猫だ、と思った。その3つの影は大きい1匹と小さい2匹で構成されていたから、仔猫も含む猫一家だろう。どちらかといえば犬派の私にでも、たまに見る猫は可愛らしく見えるも…

証明

顔にニキビができてしまった。鬱陶しいことこの上ない。どうも気になって、触らない方がいいのに触ってしまうから、治るものも治らないような気がして、余計に気になってしまう。 これまでマイペースに生きてきたものだから、ペースを乱されるのは苦手なので…

相殺

梅雨入りしたにもかかわらず、ここのところいい天気が続いている。「お天道様が見ている」というのが何かしらの抑止力につながることが確信される天候である。お天道様云々が何故広まったのかについて調べてみると色々面白そうだと今ふと思ったが、本題から…

不要

ただの猿だった生物が二足歩行をし、道具を使い、言葉を操り、宇宙にまで飛び出しているのだから、人類の進化は大したものである。大したものではあるが、それにしては進化にムラがありすぎやしないか。何を言いたいかというと、髭についてである。 毛むくじ…

意外

大学院の健康診断があった。身長、体重などはもちろんのこと、胸部X線やら心電図やら採血やら、仰々しい検査を次から次へと受けさせられる。特に採血にはあまりいい思い出がないため、できれば受けたくないものを、いいから受けろというのだから酷なものであ…

地下

車窓からぼんやり外を眺めるのも案外悪くない。晴れている日は、遠く山並みが望めたり、川の白鷺が目に眩しかったりする。雨の日であっても、霞んだ風景が妙に幽遠な雰囲気を出していたり、モノクロの中で黄色いレインコートが一点だけ際立って見えるのが印…

逆転

友人によると、「言語学的、哲学的な通説として、西欧では紙に書かれることよりも口によって発せられるもののほうが本心を表していて重要視され」、「一方で日本や中国では逆で、話していることよりも書かれたもののほうが重要視される(されてきた)」らし…

偏食

音楽に対して偏食気味である。小さい頃に聴いていた音楽が、現在まで私を支配している。桑田佳祐、山下達郎、井上陽水、松任谷由実、小田和正、玉置浩二、桜井和寿あたりがレギュラーメンバーとでもいおうか。時折他に手を出してみたりもするが、大体すぐに…

雑音

小型の音楽プレーヤーに初めて触れたのは、MDプレーヤーをお下がりで貰った時である。なぜ貰えたのかは覚えていないし、欲しがったような記憶もないが、おそらくどこか壊れたりしていたのだろう。今思えば随分と嵩のある代物だった。やがてその機能は携帯電…

距離

私が中学高校時代を過ごした街は、表情豊かで素敵な街だった。四季の移り変わりで言えば、春は桜が咲き誇り、それはやがて鮮やかな緑に変わっていって、秋はイチョウが黄金色に色付き、冬は時折降る雪が心を踊らせるのであった。いわゆる学園都市であったた…

遭遇

通学途中、車窓から林が束の間見える場所がある。毎朝通り過ぎる単調な風景の一つとして気にも留めていなかったのだが、ある朝ふとそこにトトロを見つけた。 なぜそれまで気づかなかったのかというくらいの不思議な存在感で、小さな林の中に一人佇んでいるそ…

思い返してみると、周りにすぐ影響されるようである。ある時は気に入った映画を何度も観た挙句、歩き方が映画の主人公に似てしまったことがある。好きな小説を繰り返し読んだことで、私の書く文章が作者のそれと似通ってしまったこともあった。一つ一つ触れ…