河童日記

暇つぶしです

偏食

音楽に対して偏食気味である。小さい頃に聴いていた音楽が、現在まで私を支配している。桑田佳祐山下達郎井上陽水松任谷由実小田和正玉置浩二桜井和寿あたりがレギュラーメンバーとでもいおうか。時折他に手を出してみたりもするが、大体すぐに飽きてまた戻ってくる、ということが延々と繰り返されている。レギュラーが強すぎて、補欠に出場機会が与えられないのである。トレンドといったものは、一応ラジオから仕入れているつもりでいるのだが、なかなかピンとこない。驚異の新人が現れるのを待つのみである。

レギュラーの何がそこまで私を惹きつけるのか、それぞれについて分析してみればおそらく大変長くなるので、今日はとりあえず山下達郎に絞って考えてみよう。というのも、今日がその山下達郎のライブだからである。

私は音楽に関する知識といったものはあまりないため、山下達郎の音楽性の高さについては、定評があるとはいえ中々議論できない。だかそれ抜きにしても、その職人気質はひしひしと感じられるものである。ただただ音楽が好きな人が、自分の中のこだわりをひたすら具現化しようと努め続けて、その人がたまたま才能溢れる人だったが故に、たまたま人々の目についただけである。それを聴く周りの人間は、おそらく眼中にないのであろう。私としては、そもそも自分の為にやっているのだろうから、ライブであっても、我々は聴かせていただく立場で、お取り込み中のところ少々お邪魔します、といった心持ちなのである。

私が惹かれるのはただただその芸術性である。芸術性の結晶として表出してくる音楽が、心に響かないことなどありえないではないか。そのこだわりぬいた楽曲が、独特の理想を纏って我々の元にやってきて、そこから彼の生き様が透けてみえる。これはもはや一つの文学作品なのである。