河童日記

暇つぶしです

雑音

小型の音楽プレーヤーに初めて触れたのは、MDプレーヤーをお下がりで貰った時である。なぜ貰えたのかは覚えていないし、欲しがったような記憶もないが、おそらくどこか壊れたりしていたのだろう。今思えば随分と嵩のある代物だった。やがてその機能は携帯電話に搭載されるようになり、スマートフォンによってそれはさらに高度化した。携帯電話を使っていた頃から行き帰りなどでは音楽を聴くことが常であったため、友人といるとき時以外は、おおよそ何かしらを聴きながら移動していた。

それにしてもイヤホンは壊れやすいらしい。先日もまた壊れてしまった。過去にも何度か壊れたことはあったが、それはいつも片方からしか音が聞こえなくなってしまう壊れ方であり、そういう場合は違和感を我慢すれば、生き残っているもう一方から音楽を聴くことができた。ところが今回は、全く使い物にならなくなってしまったのである。代わりのイヤホンも無く、仕方がないので久々に何も聴かないままで通学することになったわけだが、これがどうもそわそわするのである。

静かな街中を歩いているときは、別段気にならない。むしろ鳥の声やら風の木々を揺らす音やらが心地良い。それが電車に揺られている時となると、全く状況が異なる。自分の周りの空間が急に圧を強めてくるとでもいおうか、四方八方から聞こえてくるいろいろな音が、全て不思議と耳に残ってしまうから、何をするにも息苦しいのである。慣れていないせいもあろうが、それにしても少し驚いた。私が電車内で音楽を聴いていたと思っていたのは、実際は周囲の雑多な音をカムフラージュしていたに過ぎないらしい。

電車の音が耳に慣れるまで待つか、早い所新しいイヤホンを買ってしまうか、迷いどころである。音楽がカムフラージュであると気づいてしまった今、その用途のためにイヤホンを新調していまうと、それはそれで忍びない気もするのである。

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